名古屋帯(染め・刺繍)
縹色よりは優しく、浅縹色よりは濃い、
空を現すような地にたっぷりと見事に描かれた柿、そして目白たち。
この染匠でしか作り得ない世界観と技量が惜しみなく発揮された、手描き友禅の最高峰と申しても過言ではない作品です。
見事に成る柿の実を見上げる目白の愛らしいこと。
人や動物の表情、とりわけ目は難しいのですが、この二羽の愛くるしさ、素晴らしいですね。
下絵師の絵心あってこそ、友禅の技量も活きてまいります。
本来、京都の友禅は分業制です。
作家を名乗ることはなく、後世に名が残るものではないのですが、それぞれの職人が自身に任された部分を丁寧に惜しみなく仕上げてゆく総合芸術が、手描き友禅なのです。
今ここでしか創れなかったであろう気概が作品から伝わり、私達の心を打つのです。
締めない時には、飾りながら、朝に夜にと眺めていたい。
絵画のような染名古屋帯です。
■染名古屋帯(柿に目白)
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