袋帯

軽く薄くしなやかに
ひと昔かふた昔前では、手にした時の重みを含め外観の重厚さが求められていた着物や帯、
トレンドはスマートカジュアルへと舵を切るなか、
昨今の温暖化にも対応した、締めていて疲れない軽い帯が求められるようになりました。
本作品は、単衣向けにと開発、織り上げられた逸品の袋帯です。
銀箔で織り上げた清涼感溢れるクールな帯の景色に拡がるのは、能装束の襷とエキゾチックな更紗文。
紺碧色の更紗花が随所できりりと香らせながら、緻密な文様を丁寧に織り上げた逸品です。
お太鼓の襷文は、うねるような流れで清涼感を。
いっぽう前腹では、ラインのように襷文をあしらっていて、心配りを感じますね。
太鼓裏に出る部分にも更紗を織り上げた銀の太箔が煌めいていて、全方位的にとても見事な袋帯です。
帯生地は、裏生地共に薄い紗で全体に更紗文を織り出した特別な帯地です。
うっすらと絽目のような透かしが感じられますが、銀箔遣いにより目立ちませんので、単衣を中心に端境期の袷時期にもお締めいただけそうですね。
もちろん薄物に合わせ盛夏にもどうぞ。
付下や訪問着、光沢感のある織物に。
■ 袋帯(能装襷流し文/銀彩)【単衣を中心に】
★『きものSalon 2025春夏号』「紫の気品をまとう」特集の p.32 に掲載されました。
※お値段は、お問い合わせ下さい。