付下
夏物一覧
圧倒的に美しい。
そよそよと風にそよぎ揺れる萩がなんと綺麗なことでしょう。
さらりとした張りのある紗紬地は、淡く青みを含んだ白藍色に染められて、
薄鈍色の枝から伸びた葉は白く、
萩の花は金銀濃淡できらきらと輝くのです。
その筆致は繊細でありながらも力強く、細部に至るまでとても丁寧に描かれていて、
まるで萩が揺れる様を今、目の前で鑑賞しているように、活き活きとしているのです。
京都の手描き友禅の熟練職人の凄みすら感じるほどの染め上がりに、
この糸目糊を置くために、どれだけの修練が必要なのだろうかと想いを巡らせます。
夏のあらゆる盛装シーンに。