袋帯
糸 染め または 技法
様々なアプローチで各々が出来うるベストな染織品を届けてくださる皆様。
帯匠 誉田屋源兵衛さんが届けてくださる世界観、作品も、唯一無二の趣を誇ります。
本作品は、御舞蘭(ごぶらん)。
平安菱花裂の文様です。
レリーフのように浮かび上がり、とても綺麗ですね。
帯の地色は白茶色、輝く時では丁子色が近しいでしょうか。
帯面には複雑な凹凸があり、光線や角度によって見え方が変わるのです。
ある時はぐっと沈み、ある時には華やかに。
誉田屋源兵衛さんのご説明をお届けします。
撚糸の技術によって生まれた芸術「かべ糸」は、 強く縒りをかけた糸を芯になる糸に巻き付けるように縒り合わせてつくる。 絹の光沢が消え、さながら聚楽壁の表情を持つ糸だ。
ササン朝ペルシャの時代にすでに使われており 最も太く「カベ」の特徴が強く出ているものを「オニカベ」と呼ぶ。
相手に光沢を抑えた箔を好んで選び織り上げた。
「カベ」の裏打ちは箔にエンボスをかけ、輝きは更に減ずる。
好みの色が出た。
祇園会の山鉾を飾る織物の風情にまでたどりつければ幸いである。
力のある帯は、着物姿を一段引き上げてくれるもの。
礼装着からお洒落着まで、幅広いお召しものにどうぞ。