織物
沖縄本島の南風原町は絣(かすり)の町。
古き沖縄が色濃く残る道、かすりロードにあるひときわモダンな建物が大城廣四朗織物の工房です。
伝統を根っこに、新進の作品が生まれるのはこの建物なのだな、と拝見した事を思い出します。
今回ご紹介いたしますのは、珍しい生紬地の琉球絣(かすり)。
生紬地独特の張りのある触感が心地よく涼やかですね。
そして、なによりも、その絣の見事さに目を奪われませんか。
経緯それぞれ5本ずつの縞格子を形成しつつ、少しずつ縞に付けた二色の茶濃淡の絣の位置をずらして織り上げることにより、織り上がった布面には、むしろ格子以上に斜めに並んだ十字絣がふわりと浮き上がり、とても綺麗。
緻密に計算され、また、それを可能にしうる手仕事の素晴らしさ。
人間の手というものはなんと優れたものなのでしょう。
布面全体に織り上げた緻密な絣柄を楽しむ、民藝のようなお着物。
手織りで草木染めでございます。
涼しげな生紬地ですから、お単衣にどうぞ。