名古屋帯(織り)
久保原由佳理さんのお作りになる作品はいつも素敵だなと拝見しておりました。
特に、菊池洋守先生の作品をもう手に出来なくなった時、私共は長く菊池先生の作品を分けていただいておりましたので、その事情を知る織物問屋さんからは、久保原さんの無地をご提案いただいたものでした。
その後も折々に拝見しつつ、
この度、初めてご縁をいただいたのが、この花刺子織の帯なのです。
緻密で丁寧な織り、この刺子柄のなんて見事なこと。
柔らかな手触りと柔らかな色合いはナチュラルでいて凜としていて、積み重ねた織りに対する誠実さが伝わってまいります。
刺し子は、元々東北の寒村で、防寒と布の強度を上げる為に、農家の女性が大切な人を想いながら1本の糸も無駄にしないよう創意した民芸、実用の織物です。
そんな刺し子の歴史や想いを久保原さんが受け止めつつ、今の時代の作品へと昇華したようで、この帯を前にし、感動を新たにいたしました。
本郷孝文さん、柳悦博・崇さんの元で修業を重ねた久保原由佳理さん。
信州 安曇野の地に工房を構える久保原さんは、草木の命をいただく草木染めと手織りを志とし、糸の精練から染め、織りまで一貫して手掛けるそう。
パートナーは大月俊幸さん、御夫妻共に染織作家として活躍なさってらっしゃいます。
1969年 長野県松本市に生まれる
■ 久保原由佳理 九寸織名古屋帯(花刺子織)
●品切れ