名古屋帯(染め・刺繍)

綺麗です。
圧倒的なこの染めの迫力、心に目に飛び込んでまいりますね。
それでいながら柔らかく、草木のそよぎさえ聴こえてきそうな繊細さ。さすが湯本エリ子さんなのです。
身の回りの自然をモチーフにしながら、独自の感性で昇華し、抽象化された、まるで型絵のような手描きのタッチと独特な色遣いが湯本ワールド。
写実的ではなく、「文様」として自然の美しさを届けてくださる湯本さんですが、この度は、山野の山吹を独特の色遣いで届けてくださいました。
難しい墨色の濃淡を粋ではなく、柔らかさで使いこなせる作家さんはそういらっしゃらないのではないでしょうか。
実際には有り得ない墨濃淡の山吹の葉、
錆青磁色から緑青色へと移ろう緑が瑞々しい山吹の葉、
白く愛らしい山吹の花、
その全てが淡黄蘗色の帯地に大胆且つ優しく調和している染帯です。
季節の悦びを纏いましょう。
日本工芸会正会員
1951年 名古屋市生まれ
1973年 山科春宣氏「日本工芸会」に師事
1988年 京都にて独立
2007年 日本伝統工芸近畿展 友禅訪問着「立夏」 滋賀県教育委員会教育長受賞
2008年 日本伝統工芸近畿展 友禅訪問着「椿」 京都新聞社賞受賞
2009年 日本伝統工芸近畿展 友禅訪問着「秋草文」 日本経済新聞社賞受賞
2010年 日本伝統工芸染織展 友禅訪問着「金木犀」 奨励賞・北國新聞社賞
以降、日本伝統工芸展・日本伝統工芸近畿展に毎年出展