付下

すっきりした無地でもなく
数多ある柄を楽しむ着物でもなく
例えば肩や胸、上前に、少しずつ柄が描かれた「飛び柄」の着物、素敵ですよね。
オリジナル制作では、熟練の職人による手描き作品が多いのですが、この度は、飛び柄の作品を誂えたく、丸紋の型を制作いたしました。
誂えましたのは大小二つの蝶華紋の丸紋です。
有職文を参考にさせていただきながら、弊店好みの菊と蝶を組み合わせた紋が出来上がり、本当に職人さんには感謝です。
二型とも、中心に菊花をあしらい、四方向に伸びる菊花に蝶をアレンジしています。
大の型は、横向きの菊花に同じく横向きの揚羽蝶、
もう一型は、割菊状に四方に菊をあしらい、正面を向いた揚羽蝶をあしらいました。
型は二種類
されど加飾の仕様、摺りや箔色で様々な顔を魅せてくれますから、お客様だけの素敵な一点が出来上がるのです。
最初の作品は本付下です。
地紋がない素無地を選び、青みの紫”紫苑色”で染め上げました。
得難い色に染められたのも、この生地と出合えたからかもしれません。
大きな蝶華紋は銀がメイン、
菊花の中心は金の刺繍と摺りで、丁寧に摺り暈かしながら白さを際立たせるような銀の描き方で。
分かり難いかもしれませんが、白の刺繍もあしらってより立体感を表現。
小さな蝶華紋は金をメインにしながらも、ライン遣いでさりげなく。
綺麗な紫苑色に銀金彩の蝶華紋が浮き上がるエレガントな付下です。
この蝶華紋で、付下をはじめ、
小紋、道行コート、羽織など、様々お誂えいただいています。
お気軽にご用命くださいませ。
製作の過程をも含めてお楽しみいただける『お誂え』には豊かな時間が溢れています。
■ 付下(銀彩蝶華紋/紫苑色) えり新オリジナル
★※『きものSalon 2025春夏号』「紫の気品をまとう」特集の p.32 に掲載されました。
●品切れ
※お誂えは、お問い合わせ下さい。