名古屋帯(染め・刺繍)
BATIK(バティック)
可愛い金魚たち。
水中に揺らめく水草のように、くるんくるんと円弧を描く唐草の中に、そよそよと泳ぎ戯れる金魚がとても愛らしく、また、なんて繊細な事でしょう。
インドネシア チレボン(Cirebon)のバティック作家アリリ(Ariri)さんの創る名古屋帯をご紹介いたします。
バティックとは、インドネシアのローケツ染めで創られる布で、こちらは、トゥリスという技法、チャンチンという細い筒の中にロウを流し入れ、ロウを布に伏せて防染し、染めてゆくのです。
ロウを溶かし、チャンチンでロウを伏せ、染め、そしてまたロウを溶かして…の繰り返し。
気の遠くなるような時間を経て、手描きバティックは創り上げられます。
中でも、このアリリの技術、そしてデザインの高さは、群を抜くのではないでしょうか。
アリリの操るチャンチンは最も細い0番手というクオリティで、使いこなせる職人さんは少ない為、道具屋さんにも並ばないそう。
この0番手という細さがあって生まれる華奢なラインなのですね。
どうやったらこんなに細くロウが引けるんだろうと見つめてしまいます。
優れた技術としなやかな感性が息づくアリリの創るバティックに、いつも魅了されるのです。
帯の素材は絹、日本から手配された帯地です。
グレイがかった淡い茶色、空五倍子色の地に、金魚たちは紺青や天色などの藍濃淡で表現された、バティック古来の色遣いに、アリリの技術と磨かれた感性が光る作品です。
インドネシアの誇る伝統染織です。
ロウを使って糊伏せするローケツ染め(臈纈染)で、別名ジャワ更紗とも呼ばれています。
2009年にはユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。手仕事で生み出されるバティックの技法は主に二種類で、トゥリスとチャップに分かれます。
■染名古屋帯(金魚と唐草/手描きバティック) Ariri
●品切れ