黒のお着物。

 

永遠の定番色であり、女性を美しく引き立ててくれる黒。
先染めの織物の黒ならば、モダンでこなれたお姿は約束されたようなものですね。

 

こちらは、兄 勝山健史氏とは違ったアプローチで織りに取り組む、勝山さと子さんの作品です。

織を探究する心は勝山織物のDNAを受け継ぎながらも、今らしさや、女性らしい感性が育まれた作品を届けてくださいます。

 

本作品は扁平糸という捻をかけていない平らな糸を経に、緯には貝灰で精練した糸で織り上げていますが、この扁平糸、いわば"きしめん"のような糸を操れるのは、技術の西陣といえど、勝山織物だけなのだとか。

 

経の平らな糸と緯の糸との交差により織り上げられた布は、斜め入り子菱の地紋との相乗効果で、独特な上品な艶が生まれます。
お召しいただく度に糸が馴染み、風合いも増してまいります。
どうぞお手元でお育て下さいませ。

 

さらりとした軽やかな風合いです。袷、単衣、どちらでもどうぞ。
生地の風合いは、紬以上垂れもの以下の御召のような感覚ですから、帯次第でフォーマルにもお洒落着にもコーディネートは自由自在。

 

定番の一枚になることでしょう。