名古屋帯(織り)
名物裂の一種「吉野間道」。
京都の豪商 灰屋紹益が、寛永の三大名妓吉野太夫に贈ったと言われる南蛮渡来の縞織物で、名物裂の一種「吉野間道裂」として受け継がれる縞柄です。
当代随一の教養と美貌を兼ね備えた女性に贈られたのが、すっきりとした間道裂。
茶人の研ぎ澄まされた美を感じませんか。
縞の無限の可能性や、浮織と平織りが彩なす色彩と陰影の妙が美しい吉野間道は、いつも新たな感動を与えてくれるのですが、中でも、藤山さんの作品は、その力強さ、意志を感じるような凛とした魅力に溢れていますね。
この度ご紹介いたしますのは、茶味や青味をも帯びたグレイ、藤煤竹色。
シックで落ち着いた地に、同系の静かな配色で織り上げつつも、紺鼠を背景に花浅葱色で織り出した間道の冴え、とても綺麗ですね。
落ち着きの中にあっても、一筋の華やぎを。
地味にならないシックを叶えてくれることでしょう。
縞が細く、かつ均等に織りあげられた、新しい配置の作品です。
■吉野間道九寸織名古屋帯(緯吉野/藤煤竹色) 藤山千春
染料:矢車附子・藍・揚梅・臭木・カテキュー
●品切れ