名古屋帯(織り)
夏物一覧
沖縄の地で育まれる染織には、憧憬にも似た憧れを感じますね。
豊かな自然の中で時に過酷な歴史と向き合いながら、産み育てられてきた宝物。
守り続けてくださった先達のご苦労に想いを馳せつつ、その美しい布に惹きつけられて止みません。
沖縄染織の至宝であり、復興のシンボル。
「喜如嘉の芭蕉布」の九寸名古屋帯をご紹介いたします。
この度は、蝉の柄をいただきました。この柄は、平良敏子さんが考案されたそう。
降り注ぐ太陽に負けじと鳴き続ける蝉の合唱。
喜如嘉の夏が、その布に再現されたかのようです。
芭蕉のような植物布(原始布)には、本来ご着用時期の決まりはございませんが、夏を予感させる5月から9月を目安にどうぞ。
◎芭蕉布
1974年に重要無形文化財の指定を受け、更にその復興に尽力された平良敏子氏が、人間国宝(重要無形文化財保持者)の認定を受けられました。
この帯も、平良敏子氏監修の元、織り上げられた逸品です。
◎重要無形文化財の指定要件は、
糸は、糸芭蕉より苧引きしたものであること。
染色は植物染であること。
絣模様は手くくり絣であること。
手織りであること。
この4つです。
このシンプルな4つに、あの複雑で途方もない時間と労力がかかる作業全てが集約されているのですが、芭蕉布会館に集う織り手さん方は、皆明るく、楽しげです。
手仕事をいとわない真摯な姿勢と沖縄時間が紡ぎ出す珠玉の織物、その制作風景を拝見すると、より一層大切にしなくては、との思いが生まれてきますね。
素材: 経/手績み芭蕉糸100% 緯/手績み芭蕉糸100%
製法: 手結い・手織り
染料: 琉球藍・車輪梅・相思樹・福木・マンゴー・茜
■「喜如嘉の芭蕉布」九寸織名古屋帯(蝉) 人間国宝/平良敏子
●品切れ