名古屋帯(織り)
綺麗な帯。
かつて王族しか着用することが許されなかった花倉織。
首里花倉織は、数ある沖縄の染織の中でも、王家の庇護の元、王家の為に存在した特別な織物です。
伊藤峯子さんの創る首里花倉織の名古屋帯をご紹介いたします。
織の端正さは、いわずもがなではございますが、そのなんて優しいこと。
裂の表情が柔らかく、実に優しいのです。
作家作品はその方の人生の一部を分けていただくようなものですね。
どんな想いで創られたのか、想像の翼を広げてみたくなりますね。
伊藤さんの作品もまずは糸から。
他の多くの工芸会の作家のように、群馬から糸を取り寄せ、ご自身で染め出します。
特に生繰りの糸は発色も艶感もよいので、花織の立体感と絽の透けがもたらす複雑な陰影に更に煌めきを加えています。
何とも言えないまろやかな表情の帯が出来上がるのですね。
鮮やかなターコイズブルーをベースに、帯中心の淡黄色の花織は、4つの白い絽目を従えたプリンセスのよう。
遠目からは格子文のようにも映ることでしょう。
沖縄の風、光、太陽を映した、織名古屋帯です。
垂れ先には平織でも、花倉織でもどちらでもどうぞ。
花倉織を垂れ先に出した場合、帯の総尺は9尺7寸程度となります。
日本工芸会正会員
第40回日本伝統工芸展 高松宮記念賞
アトリエITO主宰