織物

真綿紬の最高傑作、地機の本場結城紬。
繭をお湯の中で丁寧にほぐし、袋真綿の状態に拡げながら、糸をゆっくりゆっくり紡ぎ出してゆく。
そのふんわりと暖かく、驚くほど軽い糸を、織り手の腰の張り具合で調整しながらゆったりと丁寧に織り上げる。それが地機の織りなのです。
糸に余計なテンションを掛けず、対話しながら織り上げてゆく地機(居坐機)の本場結城紬の風合いは格別。
弊店では本場結城紬では地機のみをご紹介しています。
本作品は淡い白茶色地に、薄紅梅色の濃淡縞をさざ波が中心に集まり引いてゆくような、縞の密度と色を変えながら
織り上げた、珍しい作品です。
血色の良い幼子の肌のような柔らかいベージュ色、甘みを含んだ淡い白茶色地に薄紅梅色の濃淡の細縞がとても綺麗。
縞は約2mm程度の間隔で、縞波が集まる中心は濃く、波が引くように少しずつ、少しずつ周囲には薄くなるように構成された縞色のグラデーションのその素敵さには、つくづく綺麗だなと魅入ってしまいますね。
縞波のグラデーション、お召しいただいた時に出来る上前から後身頃、衿からお胸、お袖へと続く縞は美しく、ドラマチック。
シンプルでありシンプルではない。
素敵な本場結城紬なのです。
重要無形文化財指定たる本結城紬の条件は、
1. 糸は全て真綿より手つむぎした撚りの掛からない無撚糸であること
2. 地機で織ること
3. 絣模様を付ける場合は手括りによること
以上の3点。
本作品は1と2による重要無形文化財の本場結城紬です。
また、どの工程にもそれぞれ熟練の職人がいて、どこが欠けても成り立たない織物です。
携わる全ての人の熟練度や想いが結集して出来る本場結城紬は、それが作品に反映されてまいります。
「誰が携わった作品なのか」はとても大切。
弊店では信頼出来る作り手の作品をご紹介したいと常に思います。
作り手のご紹介はこちらからご覧下さい。
■本場結城紬(地機〔居坐機〕薄紅梅色細縞段/ベージュ地)100細工糸使用
※お値段は、お問い合わせ下さい。