有職織物
夏物一覧
伽羅色で織り上げられた、すっきりとした面(おもて)。
華やかな加飾を愛でるのでなく、面に浮かぶ文様の見事さや織の素晴らしさ、陰影の繊細さを堪能する、それが穀の帯なのです。
この”穀”(こく、こめとも呼ばれます。)という織物は、文様を表す緯浮が米粒を並べたような感じに見えることから、その名が命名されたのではと考えられていますが、もっぱら有職織物として、公家装束に用いられてまいりました。
有職織物とは、平安の公家たちが、宮廷の儀式、服装、調度品などに用いた優美な文様で、その上品で優美な文様は、四季を問わずお使いいただける格調高い文様として、尊ばれています。
この度織り上げました文様は、葡萄唐草文様。
永遠に続く命やお幸せを願う文様は今も昔も愛され、尊ばれる定番柄ですね。
伽羅色という落ち着いた色ながら、穀の文様が立ち、葡萄唐草文様が鮮やかに浮かび上がる様には、思わずはっとする美しさをお感じいただけますでしょう。
よいものをさりげなく。