名古屋帯(織り)
着物や帯を突き詰めると、辿り着く先は糸。
つまり蚕そのもの。
呉服問屋に勤めていた上原氏は一念発起し、九州指宿の地にて、養蚕から染め織りに至るまで、一貫して自らの手で創り上げる工房を立ち上げ、いぶすき紬は誕生いたしました。
そのご苦労は、計り知れないものがあったでしょう。
この度ご紹介いたしますのは、埼玉県と長野県で収穫された繭を用い、通常は廃棄される一番硬い外皮「きびそ(生皮芋)」を用いて織られた八寸名古屋帯。
絣を括り、天然染料で染め、そして座繰りで織り上げられた作品です。
まずこの帯の魅力は何といってもその風合い。
きびその素朴な風合いを残し織り上げられた帯は、野武士のような野趣溢れる雰囲気で、お蚕さんの力強さを感じませんか。
素朴さが活きる「きびそ」の帯には、染めも、手がかかっていることを感じさせない素朴なボーダーで。
紺色と亜麻色と薄花色で絣を括りながらも声高に主張しないナチュラルな趣に織り上げました。
シーズンレス感覚でお締めいただけるざっくりした帯として紬に是非。
風合いは砧打ちで御調整し、柔らかく仕上げることも承ります。
養蚕:国産 長野・埼玉
素材:生絹
経緯共に 生皮苧
蚕種:春嶺鐘月 錦秋鐘和
糸挽き:松澤製糸所
撚糸:無撚り
精練:無精練
絣:手括り
染め:合金染料
織り:手織り
砧打ち
養蚕・座繰り・撚糸・精練・絣・染め・手織 全行程一貫制作
制作:上原達也
■ 上原達也 八寸織名古屋帯(生皮苧布/いぶすき紬)
●品切れ