袋帯
時代を経て受け継がれてきた古典こそ、永遠のモダン。
私達の感性や美意識によって磨かれ、完成された古典文様は、いつの時代であっても魅了される、品格ある文様として尊ばれてまいりました。
ご紹介する菊華菱文もまさしくその一つ。
桃山文化が花開いた天正15年、豊臣秀吉が蒲生氏郷に与えたと伝えられる「雪持ち柳文様胴服」の袖の部分の菊文様を、帯として製織された作品です。
この花序を整然と放射状に整えた菊文様は、「百華の王」と称される美しさを誇り、菊は皇室や貴族との縁故を示すものとして、また、延命長寿、武運長久を願う文様として盛んに用いられました。
遙か中国大陸から、平安や桃山の人々の美意識で熟成され、そこに ”今の時代の感性” というエッセンスを加え、織り上げられた袋帯です。
糸がたわわに溢れるような菊花のそのボリューム、なんて見事なのでしょう。
唐織ならではの華やかさと豪華さ、優雅さが見事ですね。
色遣いはとてもシンプルで、生成色に近いまろやかな白地に金糸が少しだけと、極く淡彩の帯なのですが、その存在感は圧倒的で抜きん出た美しさを誇ります。
白一色でこれだけの力感ある帯は、いざ探そうと思うとなかなか無いもの。
そして、御手にとっていただくと、驚くほど軽い事にもきっと驚かれるはず。
細い糸で密に織り上げた薄くしなやかな生地だからこそ出来るその軽さと風合いは、纏う身にもまた優しいのです。
表と同じ菊華菱文が織り上げられた凝った裏地も上質な帯の証左。
なんとも贅沢な袋帯
熟練した職工の技をご体感いただけます。
黒留袖から色無地まで、あらゆる礼盛装シーンにどうぞ。
弊店定番の袋帯としてご愛顧いただく袋帯です。
こちらのお品は、この白地以外の別配色でも製織は可能で、御誂えを承ります。
■袋帯(菊華菱文/白地)
●品切れ
※お誂えご相談下さい。