名古屋帯(織り)

糸、織、組織、その全てにこだわり、妥協のない作品作りに勤しむ夢訪庵さん。
「お客様が締めてくださってこそ」
いつもそう考え、着手の意見に真摯に耳を傾けて下さるその姿勢にはいつも学ばせていただき、一本筋が通った信念や着物に対する愛情、なによりキュートなお人柄に接すると、皆様たちまちファンになってしまうのです。
ご紹介いたしますのは、夢訪庵を代表する素材の一つである「撚金箔」の素晴らしい織名古屋帯。
本斜子などの組織の帯に比べ制作が少ない為、珍しい帯かもしれません。
夢訪庵だからこそ得られる撚金箔、贅沢な箔糸から生み出される布の表情は格別ですね。
和名では鴇鼠色が最も近いお色でしょうか。見ていて飽きることがございませんね。
白、銀、そしてピンクゴールドを織り交ぜながら手織りされた帯地は、ライティングによって魅せる表情を変え、
例えば、茶席の小間のような光源が限られた室内では輝きを抑えた静かな表情を放つ一方、
レセプションやパーティ会場では、キラキラと煌めきを放つのです。
そんなときめく帯地には更にときめきを。
お太鼓と前腹を流れるように埋め尽くす菊花の刺繍がなんと華やかなのでしょう。
しかも全て手刺繍なのです。
刺繍のラグジュアリー感や立体感は、染めの友禅では得られない、特別なものですね。
豪華な手刺繍をふんだんに施した名古屋帯は華やかで、可憐な趣もございますね。
柔らかく、暖かく包み込むような晴れやかさ。
笑顔溢れるお人柄が現れているかのような帯なのです。
訪問着や付下に合わせ、フォーマルなお席へ。
紬にもお勧めです。