御無沙汰しております。
今年の立冬は11月7日でしたね。
立冬は、冬が始まる区切りの一日。
当日、拙宅の庭では、山茶花は未だ蕾も固く、柚子の実も未だ青いままではございますが、ホトトギスは勢いよく咲き、石蕗も少しずつ開花を始めていました。
私は、11月に入り、ようやくこの秋冬初めての袷着を着用。
最近はほぼお仕事のみの毎日ゆえ、通勤だけなら単衣着+はおりもの、で快適なのです。
着物は、この季節になると袖を通したくなる、実を付けた蔦を素描きした紬地の小紋に、八寸の名古屋帯(洛風林)、
帯締めは御嶽組(龍工房)、帯揚げは、弊店オリジナルの二色暈かしの縮緬(販売終了)。
こちらの小紋、かなーり前に誂えた小紋ですから、なんと八掛は明るい朱色(苦笑)、
今だったらまず選ばない、そんな色ですよね。。
着物は、八掛の色を替えると印象ががらりと変わります。
派手な八掛の着物は、順番に八掛を取替えているのですが、この着物は未だそのまま。
いっそ、このままバロメーター替わりに残しておこうかとも思うこの頃です。
さて、11月も中旬になりますと、街にはクリスマスソングが流れ出し、年末年始の楽しいイベントと共に、明くる年が頭によぎります。
着物のおでかけも増えますね。
和装に於いて、大きな楽しみの一つがその季節限定の柄。
別にこだわらなくてもよいのです。
よいのですが、
この季節はこれ♪、と自分で決めてしまって心待ちにする、その楽しみは格別ですよね。
弊店では、季節を楽しむ作品をご案内しておりまして、
今年の冬は、とっても可愛いスノーマン(雪だるまさん)の染帯と、
兎の帯を別誂えし、ご紹介いたしました。
お陰様で、両品とも、素敵なお客様宅へ旅立つ事が決まりましたが、多くの皆様にご覧いただきたく、ご紹介させていただきます。
絵本の挿絵のような「スノーマン」。
森健持作、辻ケ花染めによる染名古屋帯です。
雪だるまではなく、スノーマンと呼びたくなる大人可愛さ。
絞りだからこその滲みやふんわりとしたタッチが、まるで今、自身が雪景色の中に居るような、そんな気持にさせてくれますよね。
カチンの丁寧な筆致と絞りのふんわり感がマッチした、ウィンターシーズンを楽しむ染帯です。
そして、もう1点の刺繍の名古屋帯は波に跳ねる兎さん。
干支に関係無く、兎は人気モチーフですが、来年の干支は「卯」。
以前もこの兎さんを頂戴した事がございまして、
制作元に、「あの兎、出来ますか?」とお尋ねしたところ、ご快諾いただき、昔の図案を引っ張り出し、兎の体躯のお色などご相談を重ね、誂えていただいた帯なのです。
来年は葵卯(みずのとう)。
新たな発展や成長がみられる年だそうです。
波の上を跳ねる兎さんのように、フットワーク軽く、明るく過ごしてまいりたいですね。