兵庫県 H様 part3
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新しい着物に袖を通すだけが楽しみじゃない、んですよね、着物って。
受け継がれた大切な着物や帯を何とかしたい、それは皆様同じでしょう。
いつもお世話になっておりますH様もお母様やお祖母さまから譲られた着物や帯を沢山お持ちで、少しずつお仕立て替えなさってらっしゃいます。
この度は、接ぎを入れて新たなムードに生まれ変わった小紋と、袖無し羽織として、蘇った黒絵羽織をご披露いただきます。
まず一枚目は更紗調の小紋です。
思い出の着物なのですが、派手な八掛が付き、これではとても着られない、とお持ち込みになりました。
が、といって、柄を消してしまうような色掛けではなく、できればこのままの色や柄を活かして、とのご希望でしたので、八掛の色を変え、はぎを入れて、ムードを替えた一枚になさる事に。
この小紋に合わせて別染めした布を 太い横段模様として、絵羽調に接ぎました。
後身頃や隠れた右袖にも、同じように横段を入れています。
すっかり軽快な、新しいイメージの小紋に生まれ変わりました。
そして、次は黒絵羽織の作り替えです。
絵羽織といえば染帯に、というパターンが一番多いのですが、この度は、何気なしにさらっと羽織れる袖無し羽織になさることに。
9月の終わりや10月頃、帯の保護も兼ねた袖無し羽織は、実用的で且つお洒落な羽織ものなのです。
一旦解き洗いして、柄位置を計算しながら、衿付け等をしてゆきます。
引き返し分も全て出して、丈もできるだけ長めにお仕立させていただきました。
画像ではご紹介できないのですが、羽織紐もお洒落にまとめ、仕立て直しとは思えない、大満足の一枚になりました。