兵庫県 F様
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当店でお作り頂いた縮緬地お対の着物をお召しになってご来店いただいた、ご近所のF氏。
『普段着』として着物をお召しになるF氏、店の前には乗ってきた自転車が置かれています。
男性の着物姿は珍しく、歩いてらっしゃる方を拝見しても、今日は何があるのかしら、なんて思ってしまう昨今、F氏は、『脱ぎ着が楽だから』という理由で着物がいいとおっしゃる素敵なおじさんです。(親しみを込めて、こう呼ばせていただきました。)
さて、その着こなし、半衿を浴衣の衿に御自分で縫い付けて、長襦袢代わりにお召しです。浴衣が長襦袢代わり?と眉をひそめる方もいらっしゃるかと思いますが、普段着ですもの、色々な着方があっていいと思います。
帯はお祖父様からのもの、雪駄&足袋は近所の履物屋さんで目玉商品を買い求め、羽織紐は、ちょっとよそ行きのものを、ということで当店でお買い求めいただきました。
半衿付けも難なくこなしてしまうF氏、お料理も得意で、この日は市場からの帰り道、”すずめ”はふきの煮付けのコツを教えていただきました。
呉服店というと、なんだか入りにくくて、という印象がありますが、F氏のように日常の姿として着物を好まれ、道すがら、ふらっと訪れてくれる、こんなお客様もいらっしゃるんですよ。
着物を好む理由も、そして着る目的も立場も人それぞれ。こんな小さな店ですが、着物を愛する人の輪が広がっていくことが、私達の財産だと思っています。