可愛い。そして楽しい♪

 

染め屋さんの発表会で、
「如何ですか、私ってなかなか見かけないタイプでしょう？」
とこちらに向かって語りかけてきたのが、こちらの小紋。

 

描かれた柄が、まあなんて楽しいこと。

 

アンデルセンの童話がモチーフ？　それともヨーロッパの田舎の景色でしょうか。
広大な農地を持つとんがり屋根の田舎家には、緑豊かに木々が茂り、お花が咲き、アヒルの親子が散歩し、鳥が飛び、牛車で田畑を耕し、お散歩や会話を楽しむ人間達…
細部に至るまでしっかりと描き込まれていますから、職人さんの心意気をひしひしと感じると共に、眺めているだけで、微笑みがこぼれてまいりますね。

 

型染めの、そのクオリティは申し分なく、大人が纏うに相応しい質感を備えた楽しいお着物です。
また、柄が全て上を向くように染められた「一方付け」でございます。

 

黒地に小付け柄の小紋ですから、帯合わせはし易いですね。
この度は、まず織楽浅野さんの織名古屋帯をチョイス。
バルセロナタイルと銘された、楽しい柄ゆきの帯ですね。
帯揚げは、爽やかな寒色系で透明感を、そして、紺白赤のトリコロールの帯締めで楽しげに。

 

もう1点は、夢訪庵さんの若竹色の織名古屋帯です。
小紋の中の木の緑がとても綺麗なお色なので、この緑に呼応するように、無地の帯で大人っぽくまとめています。
帯締めは小桜組で。

 

それぞれが小さな柄ですから遠目には、飛び柄の黒地の小紋、でも、お近くでご覧いただくと、そこには心温まる世界が…

黒地の癒やされ小紋を２パターンの帯でご紹介いたしました。