その土地の人々が自分達の為に育んでこられた民芸の世界。
この士乎路紬を拝見していて、まず感じたのが民芸の匂い、でございました。
家人が着用する紬は自家用ですから、残った糸をどう取り合わせるか、腐心しながら機に向かっていたのでしょうね。
紬に縞や格子が多いのは、必然にもよるものなのです。
この士乎路紬(しおじ紬)はそんな民芸の香りを纏いながら、今様に織り上げられた作品です。
大地の色、茶系の濃淡に、木賊色や藍の縞が覗いた素敵な真綿紬が織り上がりました。
士乎路紬はその糸味が特に良く、風合いが抜群ですから、暖かな包まれ感を味わっていただけることでしょう。
洛風林さんの唐草回々錦もまた民芸を背景に持つ織物、こちらはペルシャの人の想いが宿る名古屋帯。
唐草の表現方法は異なれど、「永遠に続く」唐草は、万国共通でございますね。
帯揚げは秋を意識し、赤味の紫、京紫色で。
帯締めでは華やかに、桔梗色を覗かせて。
美術館巡りは如何でしょう。趣味のお出かけにどうぞ。
■ 着物:士乎路紬(しおじつむぎ/格子に段縞)
●品切れ
■ 帯:九寸織名古屋帯(唐草回々錦・濃紺)
●品切れ
■ 帯締め:綾竹組(三色暈かし/黒鳶×紅桔梗×白)
●品切れ
■ 帯揚げ:無地(縮緬/No.4京紫)
●品切れ