「綺麗」には、その背景に確たるものがあり一本芯が通っていなくては、

大人が目指す綺麗は適いませんね。

人が生み出す工芸品の魅力は、やはり人。
どんなストーリィが作品に託されているのか、それを識ると益々着物が楽しく、また愛おしくなります。

 

この度は、紺鼠色の白たか織（白鷹御召）に啓さんの名古屋帯を組合せ、ご紹介いたします。

 

白鷹御召といえば、単衣向きの代表選手の一つ。
本塩沢や長井御召、縮の士乎路紬といった弊店の単衣のお勧めラインナップに、この度新しく白鷹御召が加わることとなりました。

 

その理由は糸遣い。

 

通常ご覧いただいているであろう白たか織（白鷹御召）とは違い、更に柔らかく優しい風合いに織り上がった反物の織味に心惹かれ、弊店ラインナップにお迎えすることとなりました。

 

こちらは、青味の濃鼠に白の極く細い縞を通した布面、紺鼠色のマニッシュな雰囲気です。
無地と同じ感覚ですから、帯次第でコーディネートが自由自在。
スタイリッシュなコーディネートがお楽しみいただけますね。

 

袷着にもお勧めの風合いですが、この度は単衣着としてのご提案です。

 

美術工芸 啓 さんの端正な織名古屋帯を合わせました。

 

この帯は、年々長くなる夏＆単衣時期にもお楽しみいただけるようにと、今年デビューいたしました啓さんの夏帯なのです。
張りを保ちつつ手にふわりと軽い風合いが夏単衣時期には嬉しいですね。
御手に透かしてご覧いただくと、帯全体に織り上げられた格子の地模様も綺麗で、丁寧な織りを実感いたします。

 

白磁色の帯地に、刺繍のような立体感で織り上げられた白がなんと映えることか。
白の瞬きの織りの間には、檸檬色の明るい輝きと、シックな薄雲鼠が織り上げられ、明るい日射しを浴びて、プリズムのようにキラキラと煌めくことでしょう。
シンプルだけれど、平坦ではない奥行きを感じるのは、糸が違うから、織りが丁寧だから。
とても綺麗な名古屋帯です。

 

槿花色の帯締めでアクセントを。
帯揚げは、着物に馴染ませつつ、白を効かせ爽やかに。

 

お出かけが楽しみですね。