糸目の景色、そのものが御馳走。
友禅の色が互いに混ざり合わないための防染の役目である糊のライン、”糸目”。
この糸目が主役である、本糊(真糊)糸目友禅の付下訪問着に、妙なるグリーンの色味がとても綺麗な袋帯を合わせた礼装のコーディネートをご紹介いたします。
美しさは技術の裏付けがあってこそ。
職人の技量が光るお着物には、同じく最高の素材を用い、腕に覚えがある職人が織りあげた手織りの帯が適いますね。
袋帯は、エルメス社御用達のブラジリアンシルクの糸、そして、西陣の袋帯の本懐でもあり、今は物作りに拘りがある機屋のみが生み出す芸術「引き箔」を用いた、美術工芸 啓さんの袋帯です。
和名では翡翠色が近いでしょうか、
若竹色、青磁色、山葵色、と様々な色を思い浮かべつつ、この柔らかな緑色をどう表現したらよいのか、と思案いたします。
菱と立涌が重なりあい、白や白金や金がエレガントに輝く様子は本当に綺麗。
お着物は、僅かに茶色味を含んだ濃グレイ”檳榔子染”地に、古典文様を雅に染め上げた逸品です。
霞やあられ、豊かな笹に、六角箱が描かれた景色は古典そのもの。
赤味や金彩、刺繍を僅かに施したのみのシンプルさ、本糊糸目の僅かに白茶がかった白が濃地に映え、見事ですね。
光を受けると、お着物の笹や六角箱の白が、袋帯の輝きを受け、きらきらと輝くように映えますね。
翡翠色×檳榔子染。
素敵な礼装着のコーディネートとなりました。
帯締めは、白ベースに。
帯揚げは、豪華な箔使いでリッチに大人っぽく。
■ 着物:付下訪問着(立附六角筥笹霞/本糊〔真糊〕糸目友禅)
●品切れ
※御誂えや似寄り品等は、お問い合わせ下さい。
■ 帯:袋帯(菱立涌文)美術工芸 啓
●品切れ
■ 帯締め:綾竹大和木ノ葉通し(白×金入り)
●品切れ
■ 帯揚げ:摺箔花更紗/象牙色
●品切れ