無地の着物は万能ですね。
特に先染めの織物の無地は、こなれた装いで、お洒落にもフォーマル向けにも帯や小物次第でアレンジし易い着物ですから、これほど心強いものはございません。
ただ、無地だからこそ、糸や織にこだわらなければ、布そのものにときめかなければ、女性の美しさは引き出されませんね。

 

勝山さと子さんの絹雲織、

この度は扁平糸の「黒」をお願いし、届けてくださいました。

 

黒は永遠の定番色。
フラットな扁平糸と緯糸が生み出すしなやかさに斜め入り子地紋の陰影が重なった素敵な織物。
御召の質感に近く、軽やかにさらりと着こなしていただけるのです。

 

このモダンな黒無地に、日本画のような、友禅の腕が冴える染名古屋帯を合わせてみました。

 

染帯は、弊店オリジナル。
伊藤若冲の「梅花晧月図」写しの染名古屋帯でございます。

 

別誂により染め出ししておりますこのシリーズ、
この度は、青味や紫味を帯びた淡いグレイ、相思鼠色でお染めし、皆様にご紹介させていただきます。

 

若冲の緻密さと大胆さ、友禅師の柔らかな筆遣いにより、活き活きと新たな世界観が描かれました。
静かに輝く月の光を受け、輝く白梅がとても綺麗。
友禅、刺繍、そして金泥と、それぞれの職人達の技量とセンスが滲み出る逸品です。

 

帯揚げは、シンプルゴージャスに。
小桜組の帯締めで愛らしくまとめています。

 

最後の決め手は長襦袢。
振りや袖口からちらりと覗く長襦袢のお色は効果抜群、侮れませんね。
水色を覗かせて爽やかに。
着心地がよいとご評判のストレッチ長襦袢、バルセロナ文を水色でご用意いたしました。

 

厳冬から早春の季節にどうぞ。