お洒落紋・飾り紋の御誂え
いつもお世話になっております I 様より、「竹に雀」の洒落紋をご用命いただきました。
この竹に雀の洒落紋は、私”すずめ”も単衣紬の背に入れましたが、私の場合は”名に因んで”。
I 様は、本来の意味である、お人が沢山集い益々のご繁栄を願う縁起柄としてオーダーをいただきました。
I 様のご要望は、弊店オフィシャルサイトの特選にてご紹介しています黒留袖「豊穣」に描かれているような雀。文様化された雀ではなく、一本一本の羽根の刺繍も美しい、どちらかというとリアリティある雀でございました。
さて、紋という小宇宙の中で、いかほど表現出来ますでしょうか。
ご要望を元に、店長がデザイン案をお作りいたします。
I 様にデザインをご確認いただき、色の方向性をお打ち合わせいたします。
数多ある刺繍の色糸の中から、これはと思うお色を選ばせていただきました。
出来上がりました。
お着物は焦茶色の芝崎圭一さんの無地の紬です。
雀は着物と同系色ですが、着物に馴染みながらも立体感と存在感が出ておりますね。
お顔周りの極く小さい面積であっても手を抜かず色を変えて刺繍する、そのこだわりが素晴らしい出来栄えを生み出すのです。
羽の刺繍も綺麗で竹の緑も瑞々しく、ステキな「竹に雀」の洒落紋が出来上がりました。
I 様、ご依頼いただき、誠に有り難うございました。
※洒落紋は弊店でデザインし、お誂えさせていただいたものです。デザインのコピー、転用を固く禁じます。
家紋ではなく、お洒落の為にあしらうお洒落紋（花紋）のお誂え。
紋はとても小さい面積ながら、意外に目立つ場所でもございますし、古くは、背守として「魔除け」の意味合いも持つほどに大切に考えられた場所ですから、お洒落紋といえど、いえ、お洒落紋だからこそ、どんなデザインにしようか、どんなお色がいいのかetc、お洒落心が騒ぎますね。
弊店では、ご自身だけの「オリジナル洒落紋」をご用意いたします。 お客様の為だけに下絵を描き、配色を考え、刺繍の色糸も選び、熟練の職人が手刺繍で縫い上げる「小宇宙」。 打ち合わせしながら進めてまいりますので、お時間は頂戴いたしますが、出来上がりは格別です。