紬・木綿の御誂え
慌ただしく過ぎてゆく毎日のなか、ひと時リフレッシュして、日常に上質を。
映える綿麻「おでかけ縮木綿」が出来上がりました♪
ご着用シーズンの目安は、単衣&盛夏の季節と長めです。
・天然繊維でお肌に優しく、
・ご自宅で洗え、お手入れが簡単で
・おでかけ着として抜群に映えるルックスが着映えをお約束する、
この三拍子が揃うお着物として、柄ゆきは熨斗目(のしめ)で誂えました。
・お袖から肩と衿にかけての色段、
・腰周りの胴部分の色段、
・裾まわりの色段、
と 三色を橫段に配置した「熨斗目」なので、絵羽調となり、着映えいたします。
製造元は、麻の原糸から一貫生産を手掛ける新潟の「吉新織物さん」。
感染症の影響を受ける困難な時期の中、面倒なお仕事に応えていただき、感謝です。
そして、弊店と吉新織物さんを繋いでくれるのは、信望厚い紬問屋の「室町の加納さん」。
加納さんが居なければ、この熨斗目は製造出来ていませんでした。
織りを熟知し、和裁の知識もある加納さんがいらしたからこそ、この柄を皆様にお届け出来ます。
それぞれのエキスパートが力を合わせ、
「気軽に夏着物を楽しんでいただきたい」その想いで創り上げた、「おでかけ縮木綿」でございます。
制作過程をご紹介いたします。
カラーチップや色見本で数パターンを選び出し、更に吟味を重ねます。
弊店オリジナル限定カラーが2バージョン、ブルーグレイとグリーンブルー、そして、加納さんバージョンのブラウン系。
合計3配色を作る事になりました。
経糸(たていと)・緯糸(よこいと)の準備が終わり、織りにかかります。
織りの難しいところは、経糸と緯糸、それぞれの染め上がりの糸色と、布となった時の色のニュアンスが違ってくること。
ここが織りの面白いところでもあり、難しいところですね。
弊店オリジナル限定カラーの二色は、
1.おでかけ縮木綿(空色鼠×淡白鼠×秘色色)【えり新オリジナル限定カラー】
2.おでかけ縮木綿(浅縹色×水浅葱×麹塵色)【えり新オリジナル限定カラー】
そして、加納さんの亜麻色×生成×茶鼠色、
3.おでかけ縮木綿(亜麻色×生成×茶鼠色)
と それぞれ素敵なお色が織り上がりました。
さて、この縮木綿の初代デビューは平成30年の秋。
ゲリラ豪雨も日常になり、年々夏が長くなる初秋での発表でした。
麻と木綿の長所を最大限に活かし生まれた新たな布。
ご自宅で簡単にお手入れ出来る綿麻素材でありながら、綿麻に見えないそのルックス、着映え感。
お陰様で大変好評をいただきまして、織り上がったほぼ全量を弊店で販売させていただきました。
「お手入れや体感はカジュアル、でも熨斗目。今でも見たことありません。あの柄は帯で格上げもできるし、なにより着映えします。」とお客様が的確に表現して下さいました。
あれから4年。
加納さんには、弊店オリジナルカラーで全量買い取る旨をお約束し、約4年。
ようやく本年、新たに新色を発表する事が出来たのです。
お納めいたしましたお客様からは嬉しいお便りをいただいています。
「これ何?」と聞かれ、「家で洗える綿麻だそうです。」と仰ると、皆様驚かれるとか。
熨斗目柄はステキですね。
三色段とシンプルながらも抜群の着映え感を誇りますから、帯合わせやお出かけがより楽しみに。
縮ならではの肌離れや程よい厚みゆえの落ち感など、通常ご想像いただく綿麻とは全く違うお着物です。
紬感覚でお楽しみ下さいませ。
さて、ご参考に、「浅縹色×水浅葱×麹塵色」を着用した私の着姿をご紹介いたしました。
お目汚しで失礼いたします。
デイリーに着物を楽しむ為に。
「おでかけ縮木綿」、どうぞご活用下さいませ。