お洒落紋・飾り紋の御誂え
ご実家のお母様や婚家の義母様から譲り受けたお着物や帯を、ご自身用へと、新たな命を吹き込みお召し下さっているT様。
新しい着物や帯も素敵ですが、想い出と共に受け継ぐお着物は何物にも代え難いものですね、と仰います。そのお心遣いはご一族の皆様に伝播してゆくのでしょう。
T様からお任せいただきましたのは柳色をベースに暈かされたお着物です。
洗い張りし、ご寸法を調整させていただくと共に、背に洒落紋を、”ゆずり葉”をお願いします、とご用命いただきました。
新しい葉が芽生えると、古い葉が譲り、交代してゆく”ゆずり葉”。
今の世代から次の世代へ、そして更に次の世代へと幸せを繋げてゆく願いが込められたゆずり葉は、とても素敵なモチーフでございますね。
店長がデザインを興し、数多の刺繍糸の中からT様のご意向に沿う糸を選び、ご判断をいただきます。
葉は、青みと緑みの二色、中心は、深い紅赤、そして葉の中心には金であしらうことにいたします。
縫い上がりました。
新しく生まれ変わったお着物は、次の世代へと確実に引き継がれてまいります。
※洒落紋は弊店でデザインし、お誂えさせていただいたものです。デザインのコピー、転用を固く禁じます。
家紋ではなく、お洒落の為にあしらうお洒落紋(花紋)のお誂え。
紋はとても小さい面積ながら、意外に目立つ場所でもございますし、古くは、背守として「魔除け」の意味合いも持つほどに大切に考えられた場所ですから、お洒落紋といえど、いえ、お洒落紋だからこそ、どんなデザインにしようか、どんなお色がいいのかetc、お洒落心が騒ぎますね。
弊店では、ご自身だけの「オリジナル洒落紋」をご用意いたします。 お客様の為だけに下絵を描き、配色を考え、刺繍の色糸も選び、熟練の職人が手刺繍で縫い上げる「小宇宙」。 打ち合わせしながら進めてまいりますので、お時間は頂戴いたしますが、出来上がりは格別です。