着心地ご案内(着物・帯・羽織りもの)
盛装、礼装には格の高い袋帯が一般的ですが、お支度が手早くできる名古屋帯で、
見劣りしない格の高い名古屋帯があれば、もっと着物をお召しになっていただきやすいのでは。
その想いで、盛装着向けの名古屋帯のご提案が一つのテーマでもある弊店。
お誂えや特選でご紹介させていただいている有職織物の名古屋帯は、
礼装、盛装着にと、自信を以てお勧めできる名古屋帯でございます。
質よく、格高く、また私共では織元のご厚意をいただきまして
お客様のご希望のお色で別誂えしていただけるオーダーメードも可能という贅沢さ。
お陰様でとてもご好評です。
箔の輝きや金銀糸の煌めきは控えめですから、派手さや華美さはございません。
パーティ着というよりは、例えば茶会のような一歩控えるお支度が相応しいお席に
特にお勧めの帯でございます。
「着物のことは良く分からないけど素適だったわ」、と仰ってくださるような佇まい。
何気ない上質さ。
そのような姿を目指す帯なのです。
臥蝶の丸文の名古屋帯を付下に合わせています。
付下は琳派「槇に紅葉」柄で、帯締めは綾竹遠州組。下画像は、綾竹組(段柄)。
えり新展示会場で。
店頭では専ら小紋や紬着用が多くなりますから、展示会では時々付下や訪問着を着させてもらってます。
こちらは灰桜色の葡萄唐草地紋の無地着物に合わせ、帯締めはゆるぎ組で。
お太鼓です。
この日は貝の口組の重厚な帯締めをして、よそゆき感をUP。
さて、お太鼓部分が二重になっていること、お判りいただけますでしょうか。
帯の太鼓部分のみ二重になるようにお仕立てする「比翼仕立て」でございます。
結びやすさは名古屋帯の手早さで、外見的には袋帯、というスグレモノ。
名古屋帯本体とは別に太鼓部分の帯地も織っていただいて、二重太鼓のようにお仕立てするのです。
「正装には袋帯でなければ」のお声や、「名古屋帯だとお太鼓が頼りなくって」のお声に応えたお仕立て方で、特に茶席でお召しになる機会の多いお客様方にご好評です。
そして、この有職二陪織物は紬にもよく合うのです。
着物は三才山(みさやま)紬で、帯締めは御嶽組の暈しです。
このように、結城紬等の真綿紬系から光沢系の菊池さんの紬まで、とても幅広いお召し物に合わせていただけますから、大活躍の帯になることでしょう。
ところで、有職文の帯は珍しいものではなく、
ご紹介の二陪織物に似た唐織の帯もいろいろとございますね。
もちろん弊店でも色々とお取扱いはございますが、それらとは、帯地の立体感も違うし、艶も違い、明らかに格上の佇まいを備えている帯なのです。
丁寧な手織りのご様子を拝見していると、日本の伝統工芸は凄い、と感動いたします。
特選では穀織の「葡萄唐草文様」をご紹介しておりますが、私は天馬文の白茶色を着用しています。
(この天馬文もお誂えいただけます。)
絽の付下げに合わせて。帯締めは細ゆるぎ組。
夏時期にはブルー系の帯締め、帯揚げが活躍いたします。
お太鼓の様子です。
穀織は、比翼仕立てにせず通常の名古屋帯仕様で作っています。
黒棒縞の夏のお召に合わせた姿です。
二陪織物同様、垂れもの以外にも是非結んでくださいませ。
画像では分かり難いかもしれませんが、穀織の由来となった米粒のような織が、光線の当り加減によって浮き出てまいりますので、とても綺麗。
ベーシックで格調高く、合わせやすさも折り紙付き。
どうぞ、ワードローブにお取り入れくださいませ。