着心地ご案内(着物・帯・羽織りもの)
単純に「着物(絹)が洗えたらいいな。」と思いませんか。
実際に洗う、洗わないは別として、
もしもの時にご自宅で手洗い出来るとなれば、安心でございますよね。
織元さんから、
「洗える御召の開発に参加してくれませんか。」
というお声掛けをいただきまして、絹のお着物が洗えるなんてそれは素晴らしい♪ と早速手を挙げ、実際に着装し、洗い、織元さん(ワタマサさん)と意見交換をしながら、2020年春、お披露目させていただきました。
私が着装していますのは、丹後織御召の「羊歯菱文/淡白藤色」。
羊歯は繁栄を現す吉祥柄でございますね。
四つの羊歯菱文を一柄として構成していて、きりりとした知的な印象。そこに、中心のくるりと巻いた羊歯のカーブで柔らかさを添えている、とても素敵な地紋です。
丹後織御召は、様々な地紋柄をご用意しておりますが、小紋感覚か色無地感覚かは、地紋柄によりご選択が分かれます。
羊歯菱文は、メインは色無地で、でございますね。
着物のお色は、少し紫がかったシルバーグレイ。
画像では、銀鼠色一色に映るのですが、文様的には、白練色地に白藤色の羊歯菱文を織り上げていますので、近接では、羊歯菱の淡いライラック色がふわりと浮いてまいります。
一番上の袖部分の画像で、その感じをご覧いただけますでしょうか。
文様の立体感や陰影がお着物に深みをもたらし、織物ならではの張りとシャリ感、しなやかさは、織物の無地ならではでございます。
▼様々な帯に合わせています。
全身の画像は、リメイクした黒地の絞りの染帯でリラックスした街着として。
この帯は、古い羽織を作り帯にしたものです。
好きだけど寸法が足りなかったり、柄が可愛らしすぎたり、といった羽織たち、帯へのリメイクお勧めです。
お仕立ては単衣です。
ご自宅でのお手入れ前提の場合、袷仕立ては難しく(胴裏と表地の釣り合いが難しくなります)、単衣着でのお勧めとなるのです。
ただ、裏の有無はあまり気にならないかもしれません。
ちなみに、全身の着装画像は3月に撮影したのですが、本来は袷着の季節です。
気にならないし、分からないわね、とは、ご覧いただいたお客様談。
ルールを重んじる場では装いを合わせつつ、
お洒落シーンでは、自由にお楽しみいただきたいと願う弊店でございます。
画像は、着装を重ね、手洗いした後の着装画像ですので、洗えること、お分かりいただけたのではないでしょうか。(^_^)v
但し、絹がデリケートな素材であることには変わりありません。
擦ったり、揉んだりしないよう、冷水で丁寧に押し洗いしてくださいませ。
水に浸ける時間を短く、脱水も短めに、タオルドライがお勧めです。
さて、
何故この丹後織御召は洗えるのか。
織元のウォッシャブル加工とは何なのか。
元々、他産地の御召に比べ、丹後織御召は水洗いに適しやすい特徴があったそうです。
そこで、この織元ではその特徴を更に一歩進めて、機元で念入りに湯通しをし、充分縮ませることにより、水洗い可能な「ウォッシャブル正絹御召」として届けてくださいました。
機元自らの湯通しは、
13mの反物をフラットな状態で床置きし、自然乾燥しますので、通常の水通しとはクオリティが違います。
お湯にくぐらせる以外、余計な処理は一切加えていないケミカルフリー。
天然繊維の絹は肌に優しい、最強の素材なのです。
汗をかく単衣時期、ご自宅で洗えるという安心感はとても嬉しいですね。
とはいえ、袷着でお召しいただく方、クリーニング派の方には、ウォッシャブル加工(織元湯通し)は不要のため、反物代金とは別途のご案内としております。