士乎路（しおじ）紬。
古くは能登半島が別名「志乎路」と呼ばれていたことから命名された紬で、能登で生まれた真綿紬です。

 

高分子工学の専門家であり、日本の製糸産業を支えてこられた水島繁三郎氏が、当時高額な紬の代表格で、気軽に求める事が出来なかった大島紬や結城紬に替われるような、良質で求めやすい御値段の紬を作るべく、開発された紬なのです。

 

一番の特徴は丁寧な糸作りで、丁寧に手織りされ、生み出される紬は着心地がよく、私も愛用させてもらっています。

 

今では、日本の各地に様々な種類や産地の真綿紬がございますが、経緯（たてよこ）共に真綿紬糸で手織りされている真綿紬は珍しいのではないでしょうか。

 

真綿紬の最高峰は、今も昔も結城紬で、織りは地機もの。
でも、如何せん、高額ですから、気軽にとはなりません。

そんな時にお勧めさせていただくのが、この士乎路紬なのです。

 

是非多くの皆様に御手にとっていただきたく、この着心地ご案内でもご紹介させていただきます。

 

こちらは十字絣の士乎路紬、グレイ地です。十字絣のクラシカルさに惹かれたお品。
数種類ある士乎路紬の仕様の中でも、特に糸味がよく、皺の復元力もあるのが、この経緯共絣糸仕様のように感じます。
ご紹介する画像は、民芸調にならないように帯を合わせた組み合わせです。

織名古屋帯を締めた様子です。

続いては、墨黒色無地の士乎路紬の着装姿を。

泥黒地の無地ですから、あらゆる色柄の帯を受け止め、合わせやすさは抜群。

真綿の黒は粋さはなく、柔らかい感じに仕上がるのも嬉しいですよね。

 

背と両袖口に刺繍で柄を入れ、着ています。

刺繍の洒落紋入れについてはこちらをご高覧下さい。

 

辻ヶ花染めの染帯です。帯締めは、サイト掲載品の地内記組№１と同じです。

帯揚げは、現在品切れ中の弊店オリジナル二色暈しの縮緬帯揚げ。

 

こちらは、幾何松柄の織名古屋帯を締め、帯締めはサイト掲載品綾竹組/葡萄鼠×退紅色のお色違いです。

帯や小物のセレクトを色々楽しめるのが無地紬の良いところです♪

さて、続いては、お単衣向きの縮みの士乎路紬です。
縮ですから肌離れ良く、さらりとしていて、蒸し暑い単衣時期に最適。
遠目でみるとほぼ無地に見える細い縞柄で、数色ブレンドされているところが奥行感ＵＰ。

春単衣です。

 

ということで、経緯絣糸仕様、無地、縮、とそれぞれ仕様の違う士乎路紬をご紹介させていただきましたが、もう一点、玉糸をブレンドした士乎路紬がございます。

この玉糸仕様の特徴は何といっても艶感。光沢感が出るのですね。

 

深い赤色の士乎路紬が欲しくて、弊店が色出しさせていただいた深緋色の玉糸士乎路紬をお求めいただきましたお客様の画像をご紹介させていただきます。

様々なシーンで活躍する真綿紬。

是非、御手に取ってみて下さいませ。