工房探訪
結城紬の産地、茨城県結城市。
長くお取扱いさせていただいていて、いつかは産地へ、、と思っていたところ、誂えをお願いしている本場結城紬(地機)がまさしく機にかかっているとのこと。
折角のこの機会にと、お伺いしてまいりました。
染め、織りに関わらず、いつも職人さんのところへお伺いする度に思うのは、”百聞は一見にしかず”ではあるものの、”知ったつもりになってもそうではない”ということ。
見ると、知る、聞く、そして”実際にする”のは全く別であり、当たり前ですが、長年の蓄積があってこそ得られる仕事は、誰がしてくださるのか、その”人”が大切だなといつも感じています。
工房探訪は、この確認作業でもございます。
訪れましたのは、お世話になっている宮﨑織物さま。
結城紬の工程は細分化され、自宅で作業なさっている方が多くいらっしゃいます。
その其々の職人を束ね、自社の製品として創り上げるのが地元の縞屋さん。
弊店では、ここ数年はほぼ宮﨑織物さまの作品を頂戴しています。
結城紬の製造工程は、協同組合のHPやその他様々に掲載されていますので、この工房探訪のページでは割愛させていただいています。
さて、まず最初に反物整理の様子を。
ご売約になると、産地に一旦戻し”湯通し”という糊を落としてもらう作業をします。
糊抜きは地味な作業で目立たない部分ですが、糊の落し具合によりその結城紬の風合いが変わるのですから、とても大切な肝心要めの工程なのです。
私達は、そのお客様のライフスタイルやお好みを考慮しながら、固めに、柔らかめに、とお願いしていまして、こちらは皆が認める大ベテラン、"困った時にはここへ"の方の仕事風景。
湯通し&地入れは、お仕立て前の工程ですから、順番から考えると一番最後の御紹介にはなるのですが、ここの難しさも是非知っていただきたく、一番最初に御紹介いたしました。
宮﨑織物さまの社屋では、機織と糸紡ぎを拝見します。
大ベテランの職人さんが紡ぐのは、均一で細い綺麗な糸。キラキラしていました。
宮﨑さまは、作品によりどなたに糸取りをお願いするか決めるのだとか。
そして、今、このボッチに取っているのは、次回に織る予定の結城紬。
いつもはご自宅で糸取りされているのですが、私達の滞在時間の関係上伺うことが出来ないので、こうして出向いてくださったのでした。有り難うございます!
そして、弊店スタッフ誂えの結城紬を織ってくださっている機場を拝見いたします。
着々と進んでいる様子、何よりです♪
この職人さんは宮﨑さまの妹さん♪
縞屋に生まれ育った彼女にとって機は身近な存在。
設計図通りに決まったものを織るのが職人さんなのですが、この職人さんは作家気質のところもあって、自身で製品に仕上げるデザインセンスもお持ちの方です。
誂えの様子は、別ページ「【紬の御誂え】本場結城紬(地機)」をご覧下さい。
絣括りと染めの現場へ。
自宅兼工場の整然と整ったご様子からは几帳面さがうかがえます。
お喋りしながらも、実にテンポよく絣を括ってゆかれる様に流石だなあと思う私達ですが、そんなの当たり前じゃないと一言。(笑)
お伺いする時間がずれてしまったので、染めているご様子を拝見することが出来なかったのが残念ですが、期待通りの色に染めますよ、と有難く力強いお言葉をいただいたのでした。
素適な方々が作ってくださっていることを、改めて再認識させていただいた工房探訪でした。