お出かけの時に着物の上に羽織る「はおりもの」。
不意の汚れ防止や防寒の為に欠かせませんね。
そして道中では羽織った姿で過ごすわけですから、お洒落でありたい♪

実はお洒落ポイントとしても見過ごせないアイテムなのです。

お着物をよくお召しになるN様は羽織ものもいろいろとお楽しみいただいており、この度もいくつかご披露いただきました。

まず一枚目は、道行コート、無病息災を願う瓢箪の柄のお品です。

 

もちろん手描きで、「一珍染」と呼ばれる技法の糸目糊置きの作品です。
糊部分に焼き物（萩焼きのような）の貫入のようなひびが入るので、あえてその中にも色をにじませ、複雑な染色を楽しむことが出来るのです。

友禅染めより先に生まれた技法で、弊店では先代の時代から沢山染め出しておりまして、弊店独自に「侘び華染め」と命名し、オリジナル制作を続けています。
N様がお召し下さっている作品は地もたたき染めにした凝った一点で先代が好んだデザイン。
「求めておいて良かったわ」とN様。こちらこそ有り難うございました。

お締めくださっている帯は昨年末お求めいただいたこちらも弊店オリジナルの染名古屋帯。
鮮やかな京紫地に金彩が映える帯でございます。
そして、お胸元の刺繍の半衿♪
恐らく、こちらは一番最初にN様にお気に入っていただいた作品だったのでは。
良くお似合いでございます。

続けて、袖無し羽織のお姿です。

防寒の為ではなく、汚れ防止とお洒落の為にお召しいただく羽織もので、着丈も短く、軽快に。
渋い千歳茶色に大胆な福良雀ちゃん、ステキですよね。

帯はミンサーの名古屋帯を。
暖かい小春日和の日に、こちらをお召しになってご来店いただきました。

お見かけすることの少ない袖なし羽織ですが、こなれた装いでとてもステキでございますよね。N様は以前ご披露いただいた若菜色の袖無し羽織共々ご愛用いただいているそう。

目が行き届かないお太鼓には、思わぬ汚れが付くときもございます。
袖なし羽織という選択肢、どうぞお心にお留め置きくださいませ。

N様、この度もご披露有り難うございました。

今現在、凝ったコート類は、特に品薄で、誂えていただくケースが殆どです。
友禅染めはもちろん、侘び華染め（一珍染め）での誂えも承りますので、是非御用命くださいませ。