名古屋帯(織り)
おおらかさとそこに秘められた緻密さ。
山下健氏の代表作、板締め絣の素晴らしい織名古屋帯が届きました。
柳色と柴色の板締め絣のこの美しさ、柔らかさ。とても素敵ですね。
山下健さんといえば、板締め絣。
鳥の子色だとニュアンスが伝わらないであろうと思い、地色は淡い亜麻色と表現いたしましたが、そのまろやかな淡い亜麻色に、柳色と柴色の板締め絣が織り上げられた染織作品でございます。
鳥取県の無形文化財保持者でもある氏の作品を拝見しておりますと、目の前に鳥取の自然や人の佇まいが広がります。
落ち着きや勤勉さ、そして心に秘めた情熱や信念を貫く意志の強さ、甚だ僭越ではございますが、そんな景色が浮かびませんか。
染めの元となる草木の採集から始まり、糸を創り、染め、織る。
多くの染織家と同じく、途方もない労力を経て、織り上げる染織品にはパワーがあります。
纏える私たちは幸せですね。
1955年 鳥取県青谷町生まれ
1976年 国展50周年記念賞
1999年 国展会友優作賞
国画会会員
■ 山下健 九寸織名古屋帯(板締め絣/柳色×柴色×淡い亜麻色)
●品切れ