織物は経と緯の交差、単純にはただそれだけですが何と奥深いことなのか。
いくら勉強しても求めても、汲めども尽きない泉のようですね。

 

この度ご紹介させていただきますのは、白たか織のたつみ綾。
たつみ綾とは綾織りの技法の一つで、高度な技術を要する組織でございます。
限られた職人のみが織ることが出来る織りですから、白鷹の佐藤さんの工房でも織れる職人はただ一人。

 

整然と並んだたつみ綾の文様は美しく、
光線の当たり加減で布面が玉虫のように変化する、何ともいえないこの艶感は格別ですね。

 

グレイ色にほんの少しの赤味を加えたような鳩羽を帯びたお色ですので、墨黒のように、グレイのように、そして鳩羽色にも映る布なのです。

 

柄に彩られた訪問着と比べても遜色のない光沢感と存在感。
しなやかで柔らかい布ですから垂れもののようなドレープ感も充分です。
光を集める無地織物の力、様々なシーンでお召し下さい。

 

永年に渡り、築き守り育てられた産地織物には底力がございます。
そこに新たな感性と人の力が加わって、白鷹たつみ綾は織り上がりました。