年を重ねても、更に健やかに活き活きと。
お元気で、爽やかに御年を重ねてらっしゃる先達を拝見いたしますと、パワーをいただきますね。
K様は茶道暦長く、今は気軽な茶を楽しみたいと、地域の皆様とご一緒にお茶事を楽しんでらっしゃいます。
こちらのお写真は、今年のお初釜のもの。
K様が傘寿をお迎えになった、記念のお初釜でございます。
お召しになってらっしゃいますのは、伽羅で染めた無地のお着物です。どれをお召しになろうかと思案の後、御手に取られたのだとか。
深みのある綺麗なお色、とてもお似合いですね。
お連れ様にも、ご自身の袋帯を締めていただいたそうで、向かって右の方には、お気に入りで且つ未だ締めていない袋帯を、中央の方には、私共の先代の時にお求めいただいた袋帯をコーディネート。
「この中央の方の帯は先代の時にいただいたものだから、ご存じないでしょう?」とK様。
最近、手芸好きの友人に差し上げる為着物の余り裂を整理なさったそうですが、その時も、古い着物のはぎれを前に、今見てもよいものだなあと。
先代は良いものを勧めてくださってたんだなあと思ったんですよ、と仰っていただきました。
有り難うございます。先代も喜んでいることでしょう。
今頃くしゃみしているかもね、と笑い合いました。
さて、目出度く満をお迎えになり、町の長寿祝金をお受取りになった時「おめでとうございます。」と職員の方にお祝いいただき、一瞬なんと答えてよいか、言葉が見つからなかったそうです。
健康が当たり前ではないご年齢なのですね。
手も足も、頭だって痛いところは山ほどですよ、と悪戯っぽく微笑みながら、句をたしなまれ、筆はプロ級、お料理もお上手で、茶懐石だってお手のもののK様ですから、充実した毎日をお過ごしです。
貴女はご存知ないでしょう、とお話を伺う機会がある度に、私はとても幸せを感じます。
当店が今こうして在るのも、変わらぬご愛顧とご信頼をお寄せいただけるお客様のお支えあってこそ。
本当に有難く、深く感謝する毎日でございます。