健やかに、美しくご成長なさったK様のお嬢様方の振袖姿です。
出来れば、ご自分がお召しになった振袖を着てもらいたいという願いと、しかし一方では、新しい振袖を誂えてあげたいという想い、またご結婚の折には、一枚の振袖では困るだろうとの心配もあり、ご姉妹には、お母様の振袖と袋帯をそれぞれお分けになり、それに合った品をご新調頂く事になりました。
一枚目はお姉さま、お母様の振袖です。
お嬢様らしい朱色が鮮やかな、古典柄の振袖は、いつの時代も決して古びる事がございませんね。清楚で知的なお姉さまにお似合いです。
振袖に合わさせていただいた袋帯は、刺繍と見まごう程の繊細且つ見事な蝶が羽ばたく手織りの袋帯です。
存在感抜群ですが、やや抑えめな若松色の地色なので、振袖のみならず、訪問着にも合わせて頂けるようお選び頂きました。
帯揚げは総絞りではなく、綸子時に金散らしの真っ赤な品です。クラシックなイメージでと、印籠飾りを付けてお撮りになった写真です。
三枚目は妹さま、お母様の袋帯をお召しです。
大学のチアリーディングの部活動で忙しい妹様に変わって、お母様とお姉さまがお見立てなさいました。(写メールって便利ですね。)
お母様の振袖とは全く雰囲気が違う、黒地に松竹梅の柄ゆきのモダンな振袖です。活動的な妹様に、実に良くお似合いですね。
白地に赤の花丸が美しい総絞りの帯揚げに、帯と色を合わせた帯締めですっきりまとめ、白を活かしたコーディネートとなりました。
五枚目は、妹様がご成人を迎えたお正月に揃って撮ったお写真です。
妹様がお召しになっているのをご覧になって、私も着たい!となったのだとか。 お振袖は時間の都合で断念し、お母様の訪問着をお召しです。
訪問着に合わせた袋帯は、実はお母様が紬用にとお買い求めになった品なのですが、可愛いこっぽり柄がお嬢様にもお似合いですね。
美しいお嬢様方をご覧になって目尻の下がるお父様のお顔が目に浮かぶようでした。
ご姉妹それぞれの個性を活かして、選ばれたお品、そして、見事に蘇ったお母様の振袖と袋帯。
若く、希望に満ちた二十歳の振袖姿は、いつの時代も素晴らしい晴れ姿です。