袋帯
瑞雲文を意匠とした帯は数多あれど、本作品ほど立体的に、そして圧倒的な力強さで、私達の心に届く瑞雲文は、未だ拝見したことがありません。
本作品「東照宮 瑞雲文」は、ユネスコ世界遺産にも登録される日光東照宮の社殿に施された沢山の彫刻や装飾の中から瑞雲文を選び、製織された袋帯です。
絢爛豪華な社殿群は、徳川将軍家により平定された太平の御代を象徴し、また、霊廊建築として頂点に位置する見事さでございますね。
日光東照宮のこの素晴らしい瑞雲文を帯に出来ないものだろうか。
織氏の想いと、それを具現化し織り上げる西陣の最高の職人達により、彫刻の立体感、そして空に沸き上がる瑞雲の力強い動きを独自の織り組織で見事に表現した作品です。
瑞雲文の造形の複雑さは圧巻ですし、帯地全体の網代文もまた素敵ですね。
この上品で深みのあるまったりとした白は、特別に誂えた白和紙張箔を織り込んだから。
そして、モアレのように静かに輝く本銀箔のきらめきも上品です。
製作に至るまでの過程や職人さん方のご努力を伺う度に、心が躍り、且つ尊敬の念を抱きます。
箔の美しさ、技術こそ、伝統の西陣の本懐ではないかと思うにつれ、素晴らしい職人仕事が後世にまで引き継がれますようにと願うばかりです。
菊華菱文の袋帯と同じく、長らく定番としてご愛顧いただいております。
菊華菱文の静に対してこちらはいわば動。
個性が際立つ逸品です。
以前は別配色でのお誂えを承っておりましたが、現在では残念ながらお受けしておりません。
ご参考まで、以前の別注色もご紹介いたします。袋帯の別誂えが出来る時代もあったのです。
■袋帯 東照宮端雲文
※お値段は、お問い合わせ下さい。