着物に於いて、季節感の表現はお洒落の楽しみの一つです。
秋になれば、これを締めようあれを纏おう、と想像するその楽しさといったら、もう。
四季の有る国に住んでいることに感謝なのです。
芝崎さんのお創りになる紬からは、そのお人柄を映し出すような柔和さや、芯の強さを感じませんか。
丁寧に織られた紬はしっかりとしていて、座繰り糸の素朴さや野性味を感じつつも、織り上がった布の面は艶があり、エレガント。
程良い艶がございますから、”映える”紬なのです。
モーブな淡い紫の暈かし段が素敵な段暈かしのお着物は、秋に纏っていただくと、山野に実る実や葡萄の艶やかさを想像いたしますね。
身頃には、鳥の子色に黄丹色の濃淡の極細の経縞が通り、仄かに赤味を含み、裾の紫の暈かし段へと誘うのです。
秋単衣ですから、名古屋帯で軽やかに。
洛風林のパルメット文の名古屋帯を合わせました。
紅藤色の帯地に、グレイよりの白藤色で織り上げられたパルメットが素敵ですね。
この帯の特徴である、擦れたようなネップの味わいもこのお着物に良く合います。
帯締めは、一色のゆるぎ組ですっきりと。
桜鼠色のようにも映るこの帯締めの微妙なお色、素敵ですよね。
帯揚げも、お着物と帯に馴染ませて。
この組み合わせは、単衣でも袷でも、どちらでもお勧めです。
温暖化の進んだ昨今、単衣の時期が年々長くなってまいりましたね。
■ 着物: 芝崎圭一・作 座繰紬・訪問着(段暈し/若紫色)
本体価格360,000円(税込 396,000円)
■ 帯:九寸織名古屋帯(パルメット文) 洛風林
●品切れ
■ 帯締め: ゆるぎ組/冠組(白鼠色)
本体価格11,000円(税込 12,100円)
■ 帯揚げ:流相暈かし/淡藤色×灰梅×鳥の子色
●品切れ