色の染め変え・柄のお直し
いつもお世話になっておりますW様。
この度ご依頼いただきましたのは、お義母様から譲り受けた訪問着でございました。
薄い鳩羽色の地に、墨黒と金泥で枝ぶりの見事な松が描かれたお着物です。
礼装着をお召しになる機会が多いW様ですから、ご活躍の場も広く、様々にお召しいただけそうですね。
ただ、ご記憶のお着物と比べると、金が剥げたような印象がある、と、お預かりすることになりました。
まず御寸法を確認いたします。
W様のご寸法と照らし合わせ、袖丈を長くお直しさせていただきました。
(※袖底の縫い込み量により長く出来ない場合がございます。)
昔のお着物は、裄や袖丈が短いことが多いですね。
身丈や裄、その他寸法につきましては、現状のままお召しいただけそうです。
寸法直しをし、丸洗いいたしまして、金彩のお直しにとりかかります。
落ち着いた金の彩りをより華やかに、
そして全体のバランスを確認しながら、金加工が無かった部分にも金彩加工を施し、
落ち着きの中にも、より式典に相応しい華やかさをお感じいただけるよう、柄を加えてまいります。
金彩を加えて下さるのは、いつも弊店のお誂えを支えて下さる職人さん。
細やかな心配りは、リメイクのお着物であっても、新しいお着物であっても勿論変わりません。
当たり前のようですが、有り難いことですね。
出来上がりました。
お義母様のお着物が新たに生まれ変わり、W様の社交シーンに加わりました。