お洒落紋・飾り紋の御誂え
お気に入りの紬。
これに洒落紋を入れたらよりステキではないかしら♪ と 大切な紬をご持参下さいましたS様。
真冬に着たい紬なので雪の結晶が良いと思うの、 とデザインの参考にとヨーロッパの絵本と共にお預かりいたしました。
絵本を参考にさせていただきながら、新たに、S様オリジナルの洒落紋のデザイン案をいくつかご用意させていただきましたが、最終的に決定しましたのは、和も取り入れた「雪輪に雪の結晶」の図案です。
紬の雲柄を雪輪に見立て、ストーリィを繋いでまいります。
決定したデザイン案を原寸大にし、お着物に乗せ、銀糸、白、青味の薄グレイとグレイの合計4色の刺繍糸をお選びいただきました。
S様のご希望はシンプルに。
お選びいただきました刺繍の色は、濃淡差も少なく、すっきりと品良くまとまりますね。
お仕立て上がりのお着物に洒落紋をお入れする場合は、仕立てを解く必要がありますので、最小限の面積で背を解くよう、心掛けています。
縫い上がりました。
雪輪は、外側が銀糸、内側はグレイの糸の2色遣いで、柔らかく且つクールにさり気ない輝きを。
雪の結晶は、中心が白、青味のグレイ、グレイ、と3色を暈かして刺繍していただきました。
落ち着いた色を選んだつもりなのに、結構華やかですね、とS様。
そうなのです、刺繍は、少しの面積でも、地色と共色だったとしても、糸の艶や立体感によりとても華やぐのです。
今年の冬に着るのが楽しみです、とS様。
いつも有り難うございます。
※洒落紋は弊店でデザインし、お誂えさせていただいたものです。デザインのコピー、転用を固く禁じます。
家紋ではなく、お洒落の為にあしらうお洒落紋(花紋)のお誂え。
紋はとても小さい面積ながら、意外に目立つ場所でもございますし、古くは、背守として「魔除け」の意味合いも持つほどに大切に考えられた場所ですから、お洒落紋といえど、いえ、お洒落紋だからこそ、どんなデザインにしようか、どんなお色がいいのかetc、お洒落心が騒ぎますね。
弊店では、ご自身だけの「オリジナル洒落紋」をご用意いたします。 お客様の為だけに下絵を描き、配色を考え、刺繍の色糸も選び、熟練の職人が手刺繍で縫い上げる「小宇宙」。 打ち合わせしながら進めてまいりますので、お時間は頂戴いたしますが、出来上がりは格別です。