付下
糸目の景色、そのものを御馳走として愛でる手描き友禅の逸品をご紹介いたします。
博物館の収蔵品で拝見するような見事な彩色を施した六角箱が主題です。
霞やあられ、豊かな笹を背景にして、描かれた六角箱は、古典そのもの。
茶色味を含んだ濃グレイ、和名では「檳榔子染色」が最も近いでしょうか。
そのチャコールグレイ地に白を主体に染め上げられた古典の景色は、単彩ゆえにモダンさが加味されて、すっきりと典雅な古典をお楽しみいただけることでしょう。
真糊ならではの僅かに白茶味を帯びた白さが味わい深く、熟練の職人ならではの糊置きの技、技量がしのばれます。
シンプルであれば有るほど、そのものの本質が問われるもの。
仮絵羽にせず、丸巻(反物)でのお作りですが、お仕立てさせていただきますと訪問着となんら違いはございません。
あらゆる盛装、礼装のシーンにどうぞ。
真糊糸目友禅
友禅の色が互いに混ざり合わないための防染の役目である糊のライン、”糸目”。
この糸目には大きく分けて、ゴム糊と餅米を主原料とした本糊(真糊)に分かれます。
ゴム糊のほうが扱いやすく細い線が出るので、一般的な手描き友禅ではゴム糊が主流ですが、弊店では、糊置きのラインそのものが見応えある景色としてお勧めしたいお着物を、特に本糊糸目友禅としてご紹介しています。