お洒落紋・飾り紋の御誂え
いつもお世話になっておりますH様。
この度は御手持ちの色無地に洒落紋をお入れさせていただきました。
甥御様が9月末に御結婚が決まりまして、
9月末といえば、、そう、単衣でございます。
結婚式場に於いて、夏着では寒々しいし、かといって袷では暑苦しい。
留袖ならば季節を問わず袷着もOK、の時代でございますが、格式ばったお式ではなく、それほどの装いもしたくないし…。
どうして手薄なところばかり狙い撃ちするように、と嘆かれたところ、持つべきものは友でございます。
お着物友達から色無地を譲り受けることになり、この先のご着用を見据え、洒落紋でも、と弊店にご依頼をいただきました。
色無地のお色は青磁色。H様好みでございます。
梅散らしに扇面等を織り上げた古典柄は、結婚式に相応しくよろしいですね。
色無地に合い、今後お洒落シーンでもお召しいただける洒落紋は?
と思案した結果、猫をこよなく愛するH様らしい扇面重ねの洒落紋をご提案いたしました。
日向には猫のシルエットを、そしてもう一つの洒落紋の中には、松竹梅、ならぬ「松竹肉球」をデザイン♪(^_^;)
いつものように、原寸大のデザイン画に、刺繍色の候補を揃えて、ご検討をいただきます。
縫い上がりました。
猫のシルエットは強弱を付け、メリハリを。
肉球も綺麗に縫って下さって、刺繍屋さんの腕前にはいつものことながら感謝、感謝。
お単衣にお仕立てさせていただきまして、H様の元に旅立ちました。
H様からのお便りです。
お陰さまで猫紋付の単衣も無事着用させていただきました。
着物好きの義母が目敏く洒落紋を見つけてくれました!
幸いお天気にも恵まれましたが、夏襦袢に単衣でも暑いくらい。
着物事情もこの先ますます変わっていくだろうなと痛感した次第です。
これからの着物ライフには、単衣や薄物の充実が欠かせませんよね。
H様、これからもご教示よろしくお願い申し上げます。
※洒落紋は弊店でデザインし、お誂えさせていただいたものです。デザインのコピー、転用を固く禁じます。
家紋ではなく、お洒落の為にあしらうお洒落紋(花紋)のお誂え。
紋はとても小さい面積ながら、意外に目立つ場所でもございますし、古くは、背守として「魔除け」の意味合いも持つほどに大切に考えられた場所ですから、お洒落紋といえど、いえ、お洒落紋だからこそ、どんなデザインにしようか、どんなお色がいいのかetc、お洒落心が騒ぎますね。
弊店では、ご自身だけの「オリジナル洒落紋」をご用意いたします。 お客様の為だけに下絵を描き、配色を考え、刺繍の色糸も選び、熟練の職人が手刺繍で縫い上げる「小宇宙」。 打ち合わせしながら進めてまいりますので、お時間は頂戴いたしますが、出来上がりは格別です。