何気なく、でも一味違う佇まいのしけ引きの小紋。

 

中でも、斜めに渡らせたしけは、ご着用時に軽快な動きが生まれますね。

 

この度は、薄萌葱色に染めていただいた斜めしけ引き小紋に、洛風林さんの袋帯を合わせてご紹介いたしました。

 

綺麗な薄萌葱色をリクエストし、染めていただいたこちらの作品。
しけ引き技法は珍しいものではなく、一般的に昔から用いられてきた染め手法です。
そのしけが今や表着として定着しているわけですが、技法が一般的ゆえに誰が手掛けるかで作品の表情は違います。

 

ありふれた縞や格子、無地のように平易に思えるものにこそ、手掛けてくださった方のセンスや技量が現れてくるように思い、その見極めを大切に考えている弊店にとって、このしけもその一つ。
絶妙なお色に染めていただきました。

 

合わせた帯は、洛風林さんの袋帯。
銘は「ラ・レコルト」、収穫を意味するステキな銘でございますね。
頂戴する時に、マーガレットのお花のようと感じたのですが、この銘を受けてよく拝見してみると、銀糸部分は実りの稲穂のよう。
花が咲きやがて実りを戴く黄金の秋でもあり、マーガレットのような可憐な花文のようでもあり、お召しいただく方の想い次第で、想像の翼が広がりますね。

 

地風にも特徴がございます。
有職入り子菱の地組織部分が、絽や紗ほどではございませんが、透かしのように織り上げられていますので、とても軽くてふんわり。
気温が上昇してくる春～初夏、晩夏から秋に最適な風合いと軽さなのです。
洛風林さんは夏帯の製造が無くなりましたので、これはとても嬉しいですね。
とはいえ、袷着にも締められますから、着用季節の長い帯でございます。

 

帯締め、帯揚げは着物と帯に合わせ、シンプルに。
礼装着向け且つお洒落さもある帯締めで格を上げて。

 

そよ風のようにお召しください。

 

 

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