付下
楚々と咲く枝垂れ花がとても綺麗。
この花がなんであるかはご覧になる方次第。
ある人は桜と思い、
あるいは梅だと想像するような
心象風景の中にある朧な枝垂れ花を描いたかのようですね。
水縹色のお裾から少しずつ白く明るくなり白青磁色へと変化する着物のグラデーションもとても素敵で、
その暈しに呼応するように、少しずつ淡く薄くなってゆく枝垂れ花も素晴らしいのです。
静かな佇まいでありながら、見る者の心をぎっと掴んで離さない
朧な景色が印象的な魅力溢れる作品です。
身頃や袖の枝垂れ花には折々に紅梅色の刺繍が施され、より優美な世界へと誘います。